■シャトー・オーゾンヌ(Chateau Ausone)の特徴
サンテミリオン格付けの最高位プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA(第一特別級A)であるシャトー・オーゾンヌは、ボルドー右岸地区サンテミリオンのコートと呼ばれる高台に畑を構え、この地方の特徴である粘土石灰質土壌を活かしたメルローとカベルネ・フランから、とても繊細でエレガント、そして柔らかな凝縮感やコントラストのあるワインを産み出しています。
わずか7haの畑から産み出されるワインの生産量はとても少なく、実は九大シャトーの中で“最も見つけるのが困難なワイン”として知られているほど、とても希少なものとなります。
オーゾンヌの畑の歴史はとても古く、現在確認できるもっとも古い資料によると1341年からその歴史を振り返ることが出来ます。1341年からレスコート家が所有していた畑が、オーゾンヌと呼ばれるようになりだしたのは1592年のことであり、1606年には樽の製造者であったピエール・シャトネが畑の一部を借り受ける。ピエールとその息子は少しずつ畑を買いたし、その面積を増やしていきます。
1769年にシャトネ家のジャンヌ・シャトネがジャン・カントナと結婚し、二人はオーゾンヌの土地およびブドウ畑を相続します。1795年~1810年の間、ジャン・カントナは何人かの所有者から畑を買い集め、1820年についに単独のオーナーとなります。現在のオーゾンヌは、この時に買い集められた畑が元となっています。その後、姪であるシャロンがシャトーを引き継ぎ、エドワード・デュボワと結婚したことから、デュボワ・シャロン家と名前が変更になります。その後、二人の子供セシルがヴォーティエ家に嫁入りしたことで、オーゾンヌはデュボワ・シャロン家とヴォーティエ家の共同所有となります。長らくその体制が続きましたが、1990年中 頃にヴォーティエ家がシャロン家の持ち株を買い取り、現在はヴォーティエが所有し醸造責任者としてアラン・ヴォーティエが活躍しています。
彼の運営はとても見事で、オーゾンヌの品質を今も向上させ続けています。できるだけ良いワインをつくるための費用は惜しまずに、セカンドワインの導入とともにブドウの選別を厳しく行い、完熟したブドウの使用、タンクではなく小樽でのマロラクティック発酵など、コンサルタントのミシェル・ロラン氏のアドバイスの元で、サンテミリオンの卓越したワインとしての名声を築いてきたのも彼の力によるところが非常に大きいです。
その味わいは、カシスやダークチェリーなどの香りに始まり重厚なトリュフのニュアンス。複雑なアロマと果実の凝縮感、上品なタンニンが卓越したフィネスとともに感じられます。全ボルドーのワインの中でも、もっとも個性的であり完成度の高いワインがシャトー・オーゾンヌなのです。
余談ではありますが、オーゾンヌの名前はローマの詩人であり紀元後320年~395年ここに屋敷を構えていたアウソニウスという人物にちなんで名づけられました。
ワイン買取商品銘柄一覧
|