■シャトー・ペトリュス(Chateau Petrus)の特徴
今や五大シャトーをも凌ぎ、世界で最も高値で取引されているワインの一つとなった 「ポムロールの王」シャトー・ペトリュス。その偉大さを疑うものはおらず、今ではワインを飲まない人でも名前くらいは耳にしたこともあるかもしれないくらい有名に なっています。
そんなペトリュスも19世紀の初めにはまったく無名のワインでした。人々の注目を集め始めたのは、1889年にパリで行われた品評会で数ある有名シャトーを退け金賞を獲得したときからです。ただ、当時のボルドーのネゴシアンは右岸エリアのワインをほとんど取り扱っておらず、この時はまだ知る人ぞ知るワインといった評価でした。
その名前を世界に広めたのがマダム・ルバです。1920代にペトリュスの一部を手に入れると次々と増やしていき、1945年にはついにペトリュスの単独所有者となります。 彼女はペトリュスが世界最高のワインだと深く信じ、自分のワインをけして安売りしませんでした。五大シャトーに匹敵する値段以下ではけして売ろうとせず、そんな姿 を見て言われる誹謗・中傷にも負けず強い信念を持ってワイン造りに取り組み続けました。その多大な努力によりワインの品質は高められ、更なる名声を得ることになり ます。
その後マダムが亡くなり、「ペトリュスを至上のワインへ」という夢をJ・ピエール・ムエックスが引き継ぎます。彼は上流社会で認知されることがペトリュスの発展につながると思い、ウインザー侯爵家やケネディ家が出入りするニューヨーク最高のレス トラン「ラ・パヴィヨン」に売り込みをかけ、ペトリュスを飲むことはアメリカ上流社会のシンボルと言われるまでにその評判を高めましたその名声は現在でも変わることなく続いています。
ポムロールの丘の最上部にあるペトリュスの土壌は、黒粘土という膨潤性のある特殊な粘土が表土に出ている珍しいもので、メルロー種と最高の相性をみせ素晴らしいワインを産み出しているのです。
その味わいは熟成を増すごとに、トリュフや湿った土を感じさせる官能的な香りを放ち、複雑な風味と微妙なニュアンスが生まれてきます。しかも素晴らしい果実の濃縮感は、時を経ても失われることなく、まるでジャムのような粘り気と打ちのめされるような力強い存在感、口の中に何の抵抗もなく流れ込んでくる滑らかな口当たりがこの上なく心地良く感じられます。
ちなみにラベルに描いてある男性は、キリストの十二使徒の一人である聖人ペトロ(ラテン名でペトリュス)です。彼は天国の番人であることからラベルをよく見ると手に鍵を持っています。しかし彼がペトリュスの名前の由来になった理由ははっきりとはわかっておらず、当時ワインを生産していた部落の名前がペトリュスだったのではないかと考えられています。
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