カヴァ『シャンパン式醸造法』

カヴァ『シャンパン式醸造法』

今回の主役は『カヴァ（CAVA）』です。
カヴァとは簡単に説明すると、シャンパン独特の作り方と同じ方法で造られた、
スペイン産のスパークリングワインのことです。
シャンパンは、高価なイメージがあり、お祝い事のときにしか飲まれない傾向にあります。
さらに、シャンパンはちょっと日本人に誤解されている飲み物なのです。
というのも、『発泡性ワインならなんでもシャンパン』だと思っている人は案外多いのです。
たとえば、イタリア料理屋に行って『シャンパン』くださいと言うと、お店の方はちゃんと
心得ていても、『メイド・イン・イタリアの発泡性ワイン』を持って来てくれたりするのです。
今回はその誤解を解き、スペインの産んだスパークリングワイン『カヴァ』の魅力に
迫って行きたいと思います。

● シャンパンとカヴァ

近年クリスマスの季節になると百貨店などに並び、馴染み深くなってきているシャンパン。
『シャンパン』とは、フランス・シャンパーニュ地方の特定の地域、特定のブドウ品種を使い、
シャンパーニュ製法と呼ばれる伝統的な製法による発泡性ワインのみが『シャンパン』と
呼ぶことができるのです。
それ以外の発泡性ワインは、総称して『スパークリングワイン』になります。
日本ではまだあまり知られていないカヴァ（CAVA）ですが、その味はシャンパンに
勝るとも劣りません。
それどころかコストパフォーマンスを考えれば、カヴァに軍配が上がるでしょう。
シャンパンは安いものでも４０００円はくだらないですが、カヴァは１５００円くらいから
買うことができるので、高品質なものでも日常的に飲むことができるのです。



● シャンパンにはないその魅力

発泡性ワインを総称して『スパークリングワイン』と呼びますが、様々な製造方法があります。
カヴァの製造方法は最も手間のかかる方法で、ワインと酵母をともに瓶詰めすることに
よって、瓶内で二次発酵を起こさせ、泡を得ます。
この方法は発泡性ワインとして最も本格的な製法で、伝統的な「シャンパン式醸造法」と
同じなのですが、原料にはスペイン産のブドウが用いられています。
またシャンパンと同様、法定熟成期間・法定品種が厳しく定められていますが、カヴァは
製法による分類で、スペインの限定された地域の指定はありません。
スペイン特有の気候とスペイン固有のぶどうが生み出すカヴァは、シャンパンとは違う
特徴を持っています。
フランス北部にある寒いシャンパーニュ地方で造られるぶどうは、酸味が強いため
シャンパン製造過程の最後に甘みを加える補糖を行います。（この糖の量は最終的に
味わいを決定する重要な役割を果たしています）
カヴァのほとんどは補糖を行なわず、またはごくわずかだけ行う辛口の銘柄が
多く造られています。
スペインの太陽と温暖で安定した気候はぶどうを成熟させます。
またスペイン固有のブドウ品種は、薫り高く果実味も豊かです。
補糖をしなくてもバランスの良い、カヴァ独自の香りと味わいを作ることができるという
長所をもっているのです。

●まとめ

「シャンパンに似ていて、より安い」ということでカヴァは注目されました。
しかし近年は、『安いシャンパン』としてではなく、『カヴァ独自の味わい、個性を
活かそう』という造り手が増え、『カヴァ』というジャンルの認知度や人気が世界的に
高まってきていると思います。
現在スペインでは250以上のワイナリーがカヴァを生産し、数多くの銘柄が造られています。
カヴァはレストランで食前酒として飲まれることが多いですが、実は料理との相性が
とても良いのです。
繊細な和食から中華、フレンチ、イタリアン、そしてスペイン料理、幅広い食材と合うのです。
また、濃厚なチョコレートやフルーツとも相性が良いので、コースの最初から最後まで
1本で通すことができます。
ホームパーティーや普段使いにもおすすめです。
ぜひ一度、スペインが誇るカヴァの味わいを試してみてください。

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